6月の誕生石その2・真珠(パール)について
日本で6月の誕生石とされている宝石は3つありますが、そのうちの一つ「真珠(パール)」については、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな真珠について、種類や魅力などを詳しくお話させて頂きます。
目次 1.真珠とは 2.真珠の歴史 3.真珠の産地 4.真珠の種類 6.真珠の石言葉 |
1.真珠とは
一般的に宝石としての真珠と言えば、白い色の丸い玉の様な形状を思い浮かべる方が多いかと思います。
実際に真円で白色の綺麗な真珠ほど、価値の高いものとして扱われており、「涙の象徴」として冠婚葬祭に身に着ける指輪やネックレスなどのジュエリーによく使われています。
しかし真珠には白だけではなく、黒やピンク・金色の物もあり、ジュエリーのデザインとの組み合わせで全く違った雰囲気になる宝石です。
「鉱物」に分類される通常の宝石と違い、真珠は貝殻を作る貝類が体内で形成されるので、生物から作られる数少ない宝石といえます。
真珠が貝の体内で作られる仕組みは、貝の体内に砂や石・寄生虫などの異物が入り込み、その異物を貝殻と同じ成分の膜が包み込んで真珠になります。
このように自然に出来た真珠が「天然真珠」で、人の手で貝の中に人工的に核を入れて作られた真珠が「養殖真珠」となります。
基本的に貝殻を作る貝類のほとんどが真珠を作ることが出来るため、普段私たちが食べているホタテや牡蠣・あさりといった貝たちにも天然真珠が見つかる可能性はあります。
ただし、ジュエリーに使われる宝石としての真珠となると種類は限られており、また天然真珠自体が中々採取されないため、市場で見られる真珠のほとんどが養殖真珠となっています。
この養殖真珠は、パールのジュエリーで有名な会社「MIKIMOTO」の創業者である御木本幸吉さんが、1893年に世界で初めて真珠の養殖に成功したことが始まりです。
これがさらに研究され続け、貝の状態を常にチェックし、掃除を行うなど、長い時間を掛けて大切に育てることで、現在のように形が良くキレイな色の真珠を生産することが出来るようになりました。
2.真珠の歴史
真珠の歴史はかなり古く、最も古いのは紀元前3200年頃のエジプトで装飾品に使われていたという話があります。
エジプトの有名なファラオであるクレオパトラが、イヤリングとして身に着けていたり、真珠を酢に溶かして飲んだりしたそうです。
そのほか有名なのは、紀元前2206年ごろの中国で天然の真珠が発見され、王族に貢物として捧げられたという話が有力です。
また日本でも、7世紀頃に書かれた「万葉集」に、真珠の美しさを語る詩が綴られているなど、古くから真珠への関心が持たれていたことがわかります。
その後、真珠は人々の間で愛され続け、先ほどのお話通り1890年に真珠の養殖に成功し、1905年に真円の真珠の養殖が可能となり、技術が様々な国に広まっていき、現在の様に真珠が身近な装飾品として定着しました。
3.真珠の産地
真珠の主な産地としては、日本・中国・韓国・台湾・オーストラリア・インドネシア・タヒチ・フィリピン・タイ・メキシコ・ミャンマー・ニュージーランド・など多くの国があります。
地域によって採れる真珠の種類は違い、また日本国内でも沖縄・奄美大島・長崎県・熊本県・愛媛県・三重県などで生産されています。
4.真珠の種類
真珠には様々な種類があるとお話しましたが、その中でもジュエリーに使われている代表的な真珠をご紹介します。
■アコヤ真珠
宝飾用の真珠の中でも、世界で最も代表的な養殖真珠です。
多くが日本で養殖されていて、「和珠」と呼ばれることもあります。
アコヤ真珠を取ることが出来るアコヤ貝は、すこし小さめの貝なので、真珠も若干小さめの物が多いですが、品質が高いことで有名で人気があります。
色はホワイト・ゴールド・グレー・ピンクなどがあります。
■黒蝶真珠
黒蝶貝(クロチョウガイ)という黒めの貝殻を持つ貝から採れる、黒~グレーの色が多い落ち着いた雰囲気の真珠です。
中でも緑がかった黒色の物は、「ピーコックグリーン」と呼ばれ、価値の高い黒真珠として取引されています。
主に日本やタヒチで多く生産されています。
■白蝶真珠
白蝶貝(シロチョウガイ)から採れる、ホワイトやシルバー・ゴールドの色の物が多い真珠です。
貝殻の内側が黄色の貝は「ゴールドリップ」と呼ばれ、金色の真珠が採れます。
内側が銀色の貝は「シルバーリップ」と呼ばれ、銀色の真珠が取れます。
全体的に大きいサイズの物が多く、中には直径20mm近くの大きさになる場合もあります。
主な生産地はオーストラリア・フィリピン・インドネシアです。
■淡水真珠
アコヤと並びポピュラーな真珠の一つです。
池蝶貝(イケチョウガイ)や鰭池蝶貝(ヒレイケチョウガイ)といった貝から採れます。
他の真珠に比べ輝きや色味の品質は若干低めですが、ある程度安く手に入れることが出来るのが特徴です。
また淡水真珠は核が入れられていないため、真円だけでなく凸凹した物など、様々な形の淡水真珠が販売されていることも特徴的です。
主にその多くは中国で生産されています。
■マベ真珠
マベ貝という貝から採られる、虹色の光沢が特徴的な真珠です。
形はかなり独特で、真円の物よりも半球状の形が多く見られる真珠です。
また半球以外にも、ハートの形やしずくの形のマベ真珠など、様々なバリエーションの形が作られています。
日本の奄美大島・中国・台湾・インドネシアなどで生産されています。
■アワビ真珠
名前の通り、食用でもあるアワビから採られる真珠です。
全体的に青みがかった色味が多く、オパールの様な独特の美しさを楽しむことが出来ます。
生産地はメキシコやニュージーランドが主となっています。
■コンク真珠
コンク貝という巻貝から採られる真珠です。
鮮やかで美しいピンク色が特徴的な真珠で、その独特の色味は強い人気があります。
コンク貝は巻貝の為、他の貝の様に核を入れて養殖することが出来ず、他の真珠よりも採れる数が圧倒的に少なく、特に希少価値が高いことで有名です。
コンク真珠は基本的に、カリブ海で見つかります。
5.真珠の性質と取り扱い
真珠のモース硬度は、2.5~4.5とかなり低めの部類に入ります。
酸を含む汗や香水などの化粧品に弱く、変色や照りがなくなるといった恐れがあるためなるべくそれらに触れない様に気を付けることが大切です。
そのほかにも熱や乾燥・直射日光・水分にも弱いため、お化粧や家事の際には外す様にし、保管場所も陽が当たらず、湿気の高すぎる場所は避けるようにしましょう。
保管の際には、他の宝石・貴金属類と擦り合ってしまうと真珠は傷が付いてしまうため、他のジュエリーと触れ合わないように保管することをオススメします。
また使い終わった後は、なるべくその日のうちに清潔な柔らかい布で優しく汚れを拭き取るようにすると、色や輝きが長持ちするため、使用後はケアを忘れずにしてあげましょう。
ただし汚れが付いていても水に付けたりはせずに、あくまでも乾拭きするだけにしてください。
これはなぜかというと、真珠はジュエリーとして加工される際に穴をあけることがほとんどで、そこから水分が入ってしまうと真珠の内部に影響が出てしまい、真珠の輝きに影響が出てしまうからです。
また超音波洗浄に真珠を入れることも厳禁ですので、汚れが付いているからといって入れない様に気を付けましょう。
このように真珠はとても繊細で傷つきやすい宝石なので、慎重に扱うことが大事ですが、大切にしてあげるとそれだけ真珠への愛着も強くなるのではないでしょうか。
6.真珠の石言葉
真珠には、「健康」「長寿」「富」「純潔」といった石言葉が込められています。
結婚相手との幸せな時間を保ち、夫婦の健康や生活が順調であって欲しいとお考えの方にとって、真珠はお守りになってくれる宝石です。
また婚約指輪としては、ダイヤモンドが一般的ではありますが、真珠の指輪を贈る方も中にはいらっしゃいます。
***他の誕生石については下記をご覧ください***
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