2月の誕生石【アメシスト】について
今回は、結婚指輪や婚約指輪に「アメシスト」を留めたいとお考えの方のために、2月の誕生石であるアメシストについてお話出来ればと思います。
目次 1.アメシストとは 2.アメシストの産地 |
1.アメシストとは
アメシストは和名で「紫水晶」と名付けられているように、透明感のある美しい「紫色の水晶」のことです。
「シ」に濁点がつき「アメジスト」と呼ばれる場合もありますが、正式な呼び名は、濁点を付けず「アメシスト」と呼びます。
世界的に有名な宝石研究機関である「米国宝石学会(GIA)」や、「日本ジュエリー協会」でも正式な「アメシスト」の方を使っています。
アメシストは誕生石の中でも特にポピュラーな宝石で、天然石を取り扱うショップや宝飾店などで、一度は皆さんもご覧になったことがあるのではないかと思います。
2.アメシストの産地
アメシストはブラジルやアフリカ・インド・マダガスカルが主産地ですが、日本国内では鳥取県や宮城県などで産出されています。
海外では特にブラジルが、世界で最も多くアメシストが産出されます。
アメシストは、ほかの宝石と比べても産出量が多いので、よく見かける事がある宝石になっているのです。
3.アメシストは水晶なのになぜ紫色なのか?
「水晶(クォーツ)」というと皆さんは透明の宝石を連想されると思います。
ではなぜ水晶なのにアメシストは紫色になるのでしょうか?
それは水晶を構成している二酸化ケイ素という物質に、鉄分が混ざることによって紫色に変化しています。
紫色は古来より高貴な色と認識されてきた過去があり、聖徳太子が定めた「冠位十二階」でも紫色が最も位の高い色とされています。
そのようなこともあって、アメシストは高貴な宝石であるという見方もされてきました。
4.アメトリンってご存じですか?
皆さんはアメトリンって聞いたことがあるでしょうか?
アメトリンとは、「アメシスト」と「シトリン」が1つに混ざった希少な宝石で、和名が「紫黄水晶」と呼ばれるように紫と黄色の輝きを同時に放ちます。
なぜ一つの宝石なのに、このように2色になるのかというと、そもそもアメシストとシトリンは両方ともに水晶のグループに
属している宝石だからです。
そして、アメシストに熱が加わることによりシトリンに変化するのですが、その変化する途中で止まった状態の宝石がアメトリンです。
落ち着きのある紫と鮮やかな黄色のアメトリンは、他の石にはない独特の魅力を持った宝石です。
例えば「2月生まれの方(誕生石がアメジスト)」と「11月生まれの方(誕生石がシトリン)」のお二人がご結婚する場合には、そんなアメシストとシトリンが一つになっている宝石を記念にするのも、素敵かもしれません。
5.アメシストの言い伝え
アメシストは古来より、神様とも縁のある宝石です。
ローマ神話における酒の神「バッカス」は、酒に酔うとよく悪戯をすることで有名でした。
ある時、酔ったバッカスが悪戯で自分の飼っている獰猛な虎を、月の女神「ディアナ」に仕えている女性に襲わせます。
この女性の名前が「アメシスト」です。
そんな危機に陥ったアメシストを守るため、女神ディアナはアメシストの体を水晶に変え、虎から襲われることを防ぎました。
それを見て酔いが醒めたバッカスは己の行いを反省し、水晶になったアメシストの体に葡萄酒をかけると、綺麗な紫色の水晶になったという言い伝えがあります。
こういった出来事があることから、アメシストはお酒から身を守ってくれる宝石と言われていて、古代ギリシャでもアメシストのグラスでお酒を飲むと悪酔いしないと信じられていたそうです。
そのほかにも、かの有名な芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチが、「アメシストは邪悪な思念を消し去り、思考の働きをより活発にしてくれる」というほどアメシストを好んで身に着けていたエピソードもあります。
6.アメシストの硬度と性質
アメシストのモース硬度は7です。
これは鉄やガラスに傷を付けられる硬さと言われており、ヤスリで削るとわずかに傷がつく程度に硬く、宝石としては割と硬い方です。
またアメシストは、紫外線に弱いという性質を持っています。
普段使いする程度なら全く問題はありませんが、日光の当たる場所にかなり長時間置いていると色落ちする原因になってしまうので、保管場所には注意しましょう。
7.アメシストの石言葉
アメシストには「誠実」「心の平和」「真実の愛」という意味が込められています。
心に安らぎを与えてくれ、どんな時でも真っすぐに相手への愛を伝えていきたいと願う方にとって、優しく見守ってくれるような、宝石ではないでしょうか。
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