
ジュエリーの始まりについて
皆さんは、ジュエリーの文化はいつ頃から始まったかご存知でしょうか?
今までに結婚指輪や婚約指輪などのルーツを何度かお話させて頂きましたが、ジュエリーそのものの歴史についてはまだお伝えしていませんでしたね。
そこで今回はジュエリーの始まりについてお話ししてみたいと思います。
目次 3.現在のジュエリー |
1.ジュエリーの起源と流れ
ジュエリーの起源は諸説ありますが、約10万年以上前の旧石器時代に作られたネックレスが始まりだったと言われています。

旧石器時代の日本最古の墓で発見されたペンダントとコハクと小玉(画像引用:「ジュエリー・バイブル」美術出版社)
当時は今の様に宝石や貴金属を使われず、動物の骨や歯・貝殻・石などを使ってネックレスに加工していたそうです。
また用途も自分を着飾るために身に着けるのではなく、病気や災害・邪気などの悪い物から身を守るために身に着け、お守りや魔除けといった意味合いが強いアイテムだったそうです。
そして時代が進み、紀元前5000~3000年頃の古代エジプトに入ると、ラピスラズリやターコイズ・めのうなどの宝石、金などの貴金属が素材に使われるようになり、ネックレス以外にもリングやペンダント・イヤリング・ピアス・ブレスレットといった、ジュエリーの代表的なアイテムが作られていきました。
この頃にもお守りという意味合いはありましたが、権力者など極一部の人が身に着けるという風潮に少しずつ変化してきました。

紀元前1550~1070年ごろのスカラベ エジプト(画像引用:淡交社「指輪」より)

スカラベの裏側には最高神アメン・ラーの名が刻まれている(画像引用:淡交社「指輪」より)

ラピスラズリで作られたベゼル(指輪のトップ部分)エジプト紀元前1386~1349ごろ(画像引用:淡交社「指輪」より)
またローマでも紀元前1400年頃から、貴金属や宝石を使ってジュエリーを作る技術が発展しはじめ、紀元後の1027年頃には結婚指輪の文化が初めて生まれました。
そしてジュエリーの文化がヨーロッパ全体に広がり、中世の時代になると、宗教における聖職者たちの権威を示す意味合いもあって、ロザリオなどの宗教に関わりの強いジュエリーが作られるようになります。
その後13世紀に入る頃には宗教色は薄くなり、王族や貴族たちの間でジュエリーを身に着けることが流行し、それが一種のステータスとして見られるようになりました。
しかし当時は倹約や身分の違いといった理由から、庶民の人々がジュエリーを身に着けることを制限する規制が行われていたこともあったそうです。
それから14~16世紀のルネサンス期を経て、17世紀に入るころにはジュエリーの技術がさらに進んで、今までに使われなかった宝石が使われるようになり、新しい石留めの技法が生まれるなどして、デザインの幅も広がっていきました。

1860年カルティエが制作したジュエリー(画像引用:「ジュエリー・バイブル」美術出版社)
この頃には、現在のジュエリーの形にかなり近づいていたと言えます。
2.日本でのジュエリーの移り変わり
意外に思われるかもしれませんが、日本でのジュエリーは歴史が浅く、世界的に見ても日本ほどジュエリーとの関わりが少なかった国は珍しいそうです。
縄文時代などでは骨や歯を使った首飾りなどはありましたが、その後、江戸時代の終わりごろまでは、宝石や貴金属を使ったジュエリーと呼べるアイテムはほとんどなく、櫛やかんざし・帯留めといったものが使われていたぐらいでした。

縄文時代の櫛(画像引用:ジュエリー・バイブル・美術出版社)
しかし明治時代になってヨーロッパからジュエリーの文化が日本に持ち込まれ、富裕層を中心にして国民全体に広がっていきました。
ちょうどこの頃、江戸時代まで刀などを作っていた鍛冶職人達が、ジュエリーを加工する仕事に移動していった部分も少なからずあったため、こういったことが日本のジュエリー技術が向上していくきっかけにもなったそうです。
3.現在のジュエリー
今の時代になって、ファッションジュエリーはプラチナ・18金イエローゴールド・ピンクゴールド・ホワイトゴールドといった地金を使い、また宝石もダイヤモンド以外に様々な色石を使って、それぞれ個性のあるジュエリーが作られる様になりました。
ただし結婚指輪や婚約指輪に限って言うと、それぞれの国に違った特徴が出ています。
アメリカやヨーロッパではイエローゴールドなどの金で結婚指輪や婚約指輪をオーダーメイドすることが多い様です。
これはイギリスの王室でもイエローゴールドの結婚指輪を贈られていたことも理由の一つです。
キャサリン妃の結婚指輪もイエローゴールドで作られていて、海外ではイエローゴールでの指輪は結婚指輪だと認識されやすい様です。
日本の場合はプラチナやダイヤモンドといった素材で作られることがほとんどとなっています。
その理由はプラチナが耐久性に優れていて、イエローゴールドほど目を引きすぎる事もなく、日常使いしやすいといった理由があるからだそうです。
そのほかにも白く美しい輝きが花嫁の純白なウェディングドレスと、雰囲気がぴったり合うといった理由もあり、日本ではプラチナが結婚指輪や婚約指輪として好まれやすい傾向にあります。
しかし最近では価値観の変化もあり、プラチナだけではなくイエローゴールド・ピンクゴールドといった結婚指輪・婚約指輪をオーダーメイドする方も増えてきています。
私たちSt.Mariaのアトリエにお越し下さるお客様の中にも、ご夫婦でそれぞれに気に入った地金・気に入ったデザインでオーダーメイドする方も多くいらっしゃいます。
必ずしもプラチナを使って全く同じデザインでオーダーメイドするわけではなく、お客様にとって一番使いやすく、一番気に入った結婚指輪・婚約指輪をオーダーメイドされるのが一番だと思います。
St.Mariaのアトリエにお越し頂いた際には、数多くのサンプルをご用意し、またお好きな地金の種類でオーダーメイドして頂くことが可能です。
お客様に安心してオーダーして頂けるよう様、日々さまざまな工夫を重ねております。
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